電気が1kWhあたり31円、灯油が1Lあたり113円(18L缶で約2,030円)なら、エアコンは暖房COPが2.8を超えると灯油ストーブより安くなります。COPは「使った電気の何倍の熱を部屋に出せるか」で、定格(外が7℃のとき)の暖房COPは多くの機種で3を超えるので、ふつうの冬の日はエアコンのほうが安い計算です。
逆に、外が氷点下でエアコンの効きが落ち、COPが2.8を下回る日は灯油のほうが安くなります。寒い地域ほど灯油ストーブが残っているのは、この分かれ目を下回る日が多いからです。
同じ熱1kWhあたりの暖房代
| 暖房 | 熱1kWhあたり | 1か月の目安 |
|---|---|---|
| エアコン COP5 | 6.2円 | 約3,700円 |
| エアコン COP4 | 7.8円 | 約4,700円 |
| エアコン COP3 | 10.3円 | 約6,200円 |
| 灯油ストーブ(開放式) | 11.1円 | 約6,700円 |
| エアコン COP2.5 | 12.4円 | 約7,400円 |
| 灯油ストーブ(FF式・効率85%) | 13.1円 | 約7,800円 |
| エアコン COP2 | 15.5円 | 約9,300円 |
このページで計算した値。電気は1kWhあたり31円(全国家庭電気製品公正取引協議会の電力料金目安単価、税込)、灯油は1Lあたり113円(家計調査 2023〜2025年平均の全国の灯油の支出1万5,094円÷購入量133.07L)、灯油1Lの熱量は36.60MJ(資源エネルギー庁 標準発熱量 2023年度改訂、1kWh=3.6MJ)。開放式(石油ストーブ・ファンヒーター)は燃やした熱がほぼすべて部屋に出るとして100%、屋外に排気するFF式は85%と置いています。「1か月の目安」は熱2.5kW(6〜8畳ほど)を1日8時間・30日出し続けたとき(熱600kWh)で、灯油なら約59L=18L缶3.3缶ぶんです。ファンヒーターの送風や点火に使う電気代は入れていません。
分かれ目を灯油の値段で言いかえると、エアコンがCOP3なら灯油1Lが105円(18L缶で約1,890円)、COP4なら79円(約1,420円)より安いときだけ灯油が勝ちます。18L缶が2,000円前後の今の値段では、エアコンがよく効く日に灯油で暖めると割高です。
自分の単価で比べる
灯油18L缶の値段・電気の単価・エアコンの効き(COP)・1日に暖める時間を入れると、1か月の暖房代を2つ並べます。計算はこの画面の中だけで行い、どこにも送られません。
お使いのエアコンの定格の暖房COPは、カタログや取扱説明書の「暖房能力(kW)÷暖房消費電力(kW)」で出せます。定格は外が7℃のときの値で、外が寒くなると下がります。
どちらにするか迷ったら
- 外が0℃より暖かい地域・日は、まずエアコン: 分かれ目のCOP2.8を上回りやすく、灯油を買いに行く手間と換気も要りません。
- 朝晩の冷え込みが強い地域は、併用が安い: 氷点下の早朝だけ灯油、日中はエアコン、と分けると両方の得な時間帯を使えます。
- 電気の単価が高いプランなら分かれ目が動く: 単価40円ならCOP3.6以上でないとエアコンが勝ちません。単価は検針票の「電力量料金」の欄で確かめてください(電気代の平均)。
- 灯油の値段は地域で大きく違う: 都市別の灯油の支出と量は「灯油代の平均」にあります。
冬の光熱費が平均より高いかは、冬の電気代・一人暮らしの冬の光熱費の「冬の目安」と比べてください。電気代を含めた固定費全体で「年間いくら浮くか」は、診断ツールで出せます。
出典
灯油の熱量: 資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」エネルギー源別標準発熱量・炭素排出係数(2023年度改訂)の灯油 36.60MJ/L(総発熱量。2018年度改訂値は36.49)。灯油の値段: 総務省統計局「家計調査」品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(2023〜2025年平均)の全国の灯油 支出金額1万5,094円・購入数量133.07L(二人以上の世帯)。電気の単価: 全国家庭電気製品公正取引協議会「新電力料金目安単価」1kWhあたり31円(税込)。いずれも2026年10月2日に確認。
この記事は暖房代の目安を計算するもので、特定の機種・電力会社・灯油販売店の値段を比べたり推奨したりするものではありません。燃焼式の暖房は換気と一酸化炭素に注意し、各機器の取扱説明書に従ってください。